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2020/02/01
「コア・バリュー」リニューアル対談 〜働くとは何か”“成長とは何か〜(後編)

≪個の時代の幕開けで人に対する概念が大きく変わる。≫

今野)ワークライフバランスという言葉がありますよね。直訳すれば「仕事と生活の調和」です。最近の若手経営者は既成概念をつくらずに、社員の「生活=ライフ」にまで踏み込みます。例えば会社帰りや休日に、社員が会社の経費で知見を深めたり、食事したりできる制度を用意している会社もあります。

松本)素晴らしいですね。

今野)今勢いのある会社は、ワーク(仕事)で成長をサポートしながら、ライフ(生活)も支援することを考え始めています。その話を聞いて思い出したのが「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略」という著書です。この本の中では、「人の成長」を目には見えない「無形資産」と捉えています。経済学の権威アンドリュー・スコットによれば「無形資産」は「生産性資産」「活力資産」「変身資産」の3つに分けられるそうです。「生産性資産」とは、生産性や所得、キャリアの見通しを向上させるのに役立つ資産です。「活力資産」とは人に幸福感をもたらし、やる気をかき立てる資産を指します。具体的には、肉体的・精神的健康や、友人や家族との良好な関係ですね。「変身資産」は、人生の途中で変化や新しいステージへの移行を成功させる意思と能力です。このように、生産性を上げたり、やる気をかき立てたり、自分を変革するための資産づくりのためには、目の前の仕事よりも、ライフの充実が大切だと考えられています。今後はワークとライフ、両方の支援が求められていくでしょうね。

松本)今はまだライフにまで目がいっていない会社も多いのではないでしょうか。

今野)そうなんです。とにかく人、人の成長が大切なのです。ここ1~2年では競争が激化して、10年のベンチャーや30年のベテラン企業の中にも潰れてしまう会社が多い。その理由こそが「人」です。今や日本国内の60%以上の会社が赤字企業。正直、日本の経営者の中には勉強が足りていない人も多く、自分自身の成長さえも諦めてしまっている気がしています。

≪【LIVE CHAT】成長とは何か?社員の生の声を聴く。≫

松本)ここで、会場の社員の皆さんの生の声を、ライブチャットで聞きたいと思います。投稿内容は、先ほどから話が出ている「成長」です。これから競争がますます激しくなっていく中で、どう成長していくべきか。自分が思う「成長とは何か」を教えてください。

松本)続々と投稿されていますね。「昨日できなかったことが今日できるようになった」。いいですよね。変化することってすごいね。

今野)「人の気持ちがわかるようになること」これは深いですね、名言じゃないですか。「人を育てられる」「壁があることに気づく」。いいですね。「できないことができるようになる」「知らなかったことを知る」「見えなかったことが見えるようになる」。これが成長の3点セットではないですか?松本「成長とは出会い」というのもありますね。「明日の自分」これもいい。

≪一段上の立場から、ものが見られるようになる。≫

今野)冒頭でも少し話しましたが、新入社員と部長や課長では、見える世界が違います。「視野・視点・視座」とよく言いますよね。「視座」はどこから見るか。「視点」はそこから何を見るのか。「視野」はどのくらいの幅で見るのか。特に今大切なのは「視座」です。自分よりも一段上の立場でものを見られるようになること。それこそが成長なのです。

先ほどお話ししたように、今やVUCAの時代ですから、課長になってから課長の教育をしても間に合いません。私が知っている創業126年の会社では、電子化が大幅に遅れていたので、教育の仕組みを大きく変えることになりました。勉強内容を一個ずつ先取るんです。係長が課長の勉強、課長になったら部長の勉強。3年間続けたことで、4年目には社員の視座も上がって、大きな結果に結び付きました。

松本)120年を超える長寿企業が、そこに視点を置いたことが素晴らしいですね。マテックスでも、これまで以上に「人」にフォーカスして経営をしていきたいです。

≪個々の可能性を高める「新しい終身雇用」を追求。≫

今野)「新しい終身雇用」、これはどういう意味ですか?

松本)終身雇用は昔から制度としてありましたが、これからの時代にふさわしい、個が生きるような雇用制度を考えていきたい。社員一人ひとりが自らの可能性を高め、器を広げていくためにはどうすべきか?これをぶれずに追求したいのです。今や人生100年時代ですから、若手もベテランもそれぞれのポジションで活躍しながら、成長意欲も高めていける会社でありたいですね。

今野)なるほど。成長意欲の話が出ましたが、実は成長意欲の高い・低いは、子どもの教育の違いなんです。アメリカでは、子どもの頃から2つの質問が投げかけられます。「Define your own success=あなたの成功の定義は何?」もうひとつは「Find your own uniquenes=あなたの独自のいいところをさがしなさい」。子どもの頃から聞かれて育つそうです。今まさに、日本の会社に対してその質問をすべきですよね。

松本)もちろん教育についても、今以上に力を入れていきます。その根本にあるのが、職種別、階層別に実施する社内カレッジ「マテックスカレッジ」の思想。1年、3年、5年後のチャンスや学びの機会が見えるようにすることで、成長意欲が高まる制度にこだわります。社会人になってからの教育は、制度によって雲泥の差が出ると思いますし、精神的成長は何歳になっても続くものです。社員みんなで成長が続けられる新しい終身雇用制度を実現したいです。

今野)いいですね。ある調査によると、人の学びは「上司や先輩の教え」が20%、「研修やセミナー」が10%、「経験からの学び」が70%だそうです。経験を積み上げる中「マテックスカレッジ」のような場で勉強を続けていくことが、高い成長意欲に繋がるのかもしれませんね。

松本)マテックスはこれからも、成長できる機会や場所を提供し続けていきます。

≪【LIVE CHAT】働くとは何か?社員の生の声を聞く。≫

松本)最後に会場のみなさんに「働くとは何か?」を聞きたいと思います。自分にとって働くとはどういうことか。ライブチャットに忌憚なき声を投稿してください。

今野)内閣府の世論調査によれば、人が働く理由は「お金」が50%、「社会に務めを果たす」が14.5%、「自分の才能や技術を伸ばす」が8.8%となっています。

松本)こちらも続々と投稿されていますね。「働くとは自分の存在意義を感じること」「自己研鑽」「やりたいことの手段」「働く=肉体的健康と精神的健康」「生きていくための糧を得ること」「できない人を助ける」「自分や家族をしあわせにすること」。どれもいいですね。本日投稿していただいた「成長とは何か」「働くとは何か」いずれも大切な情報です。今後は、みなさんから投稿された生の声を参考にしながら、今以上に人を尊重した仕組みづくりを考えていきます。

今野)これからは、会社のコア・バリューと自分のコア・バリューを両立する時代になっていくと思います。まず自分自身のコア・バリューを10個あげて、会社との接点を見つけてみる。その上で、マテックスさんならではの仕組みづくりに参画してください。

(前編はこちら)
https://www.matex-glass.co.jp/topics/article_3018.html