「コア・バリュー」
リニューアル対談

新たなコア・バリューを共有し
あらためて考えていきたい。
“働くとは何か”“成長とは何か”

左が弊社代表・松本浩志、右が今野誠一さん

▲左が弊社代表・松本浩志、右が今野誠一さん

2019年12月、全社員が参集した場で新コア・バリューを発表し、会場一体となって「働くとは何か」「成長とは何か」について考えました。新コア・バリューは、6年前に社員の意見を元に制定したものを時代や現状の環境に合わせて、改めて社員の意見を募り、見直したものです。今回はイベント「未来のワークライフ ~トークセッション~」の様子をご紹介していきたいと思います。

松本
今日は、全社員に集まっていただいたこの機会を利用して「マテックスで働くとはどういうことなのか」について語り合いたいと思います。日頃からお世話になっている、組織改革コンサルタントの今野誠一さんと対談しながら探っていきましょう。

まずは、今回リニューアルした新たなコア・バリューを紹介していきます。

10の新たなコア・バリューがスタート。

井尾さわこ

今野誠一
株式会社GOOD and MORE代表取締役社長。岩手県出身。1976年、株式会社日本リクルートセンター(現リクルート)入社。人事教育事業部、総務部を経て1984年、株式会社リクルートコスモス (現コスモスイニシア)入社。総務部人事部長、中長期経営計画策定プロジェクト担当部長および関連企業室部長を歴任。1998年、株式会社マングローブを創業し、代表取締役に就任。組織変革コンサルティングや、幹部・マネージャー教育を行う。20年間に約620社を支援している。
2018年、株式会社GOOD and MOREに商号変更。

松本浩志

松本浩志
マテックス株式会社、代表取締役社長。2009年の代表就任以来、理念経営に力を注ぎながら持続可能な社会づくりのためのCSR活動を展開する。「リーダーシップの転換」「人にフォーカスする経営」をテーマに掲げ、様々な取り組みをつうじて企業文化の醸成を推し進めている。「市民が選ぶCSR大賞」、「低炭素杯」最優秀家庭エコ活動賞、経済産業大臣賞「先進的なリフォーム事業者」受賞。
松本
以前のコア・バリューは2013年に考えたものでした。6年以上経過して周囲の環境も変わりましたし、会社も社員も成長できていると考え、以前のものを磨く形で、現状にふさわしいコア・バリューを開発しました。とはいえ「まだ磨き足りない」と思う部分もあるので、今後も引き続きブラッシュアップが必要だと考えています。
今野
今日初めて、社員のみなさんに披露されるわけですね。
松本
そうなんです。

コア・バリュー表組み、投影されたスライドを見る2人

松本
今回は、かなりシンプルな言葉で仕上げました。10のコア・バリューです。まず一番目は「つづく、をつなぐ」。持続可能というメッセージを込めて「つづく」をキーワードに入れました。次に「良き伴走をする」。お客様や仲間のよき伴走者になる努力をしようということですね。次の「手段を追求する」ですが、あらためてプロセス重視の意識をコア・バリューに入れ「手段」と表現してみました。それから「美点視をもつ」。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、「いいところをもっとみていこう」という思いを込めて「美点視」としました。「YESで思考する」。これは分かりやすいですよね。ポジティブシンキングです。

この「プチイノベーターであれ」という言葉には、イノベーションを起こそうとして起こせるイノベーターはいない、小さな改善の積み重ねの先にイノベーションがあるという思いを込めました。「包容力で器をつくる」は、様々な方の意見を集約して「器」という言葉を選びました。次の「善響をうむ」は、周囲に良い影響を与えていこうという思いを表現したものです。「本当の気持ち、を丁寧に」はそのままですね。心の奥にある本当の気持ちを直視していこうと。そして最後が「誠意で創る」。外部のプランナーを使って、かっこいいプロモーションをすることが、真のブランディングではない。「ブランドはひとりひとりの誠意で創っていくもの」というメッセージを込めました。

コア・バリューの重要性を認識する。

今野
10の新たなコア・バリュー。でも社員の方には、なぜ変えるのか、戸惑っている人もいるんじゃないでしょうか。今までホームページに載っていたコア・バリュー10個を、ようやく覚えたところなのに、って。
松本
そうかもしれませんね。コア・バリューはマテックス共通の価値観。私は、会社の健康を存続していくために不可欠な「栄養」ではないかと考えています。環境の変化や成長に合わせて、見える風景も変わりますし、必要な栄養も変わっていく。定期的なリニューアルが欠かせないと思うのです。

会話風景

今野
最近では企業理念とかコア・バリューが浸透せずに、悩んだり迷ったりしている企業も多いです。
松本
え?コア・バリューが浸透しないのですか。
今野
そうなんです。いろいろな言葉で浸透させようとしていますがなかなか難しいのです。一方で、設立したばかりの若手経営者の会社ほどうまく行く傾向があり、それは大事なことに気づいているからです。それが「ナラティブ」です。ナラティブとは「立場や職種性別によって見える景色」のこと。例えば、同じ社長が言った言葉でも、部長、課長、新入社員など、立場によって受け取り方は全く変わりますよね。つまり、ひとりひとり物語が違う。組織内のすれ違い、争い、勘違いは、すべて「ナラティブの溝」から発生します。そこで新入社員と部長の間にあるナラティブの溝を埋める役割を果たすのが「コア・バリュー」なのです。
松本
なるほど。コア・バリューは共通の価値観ですからね。
今野
はい。会社の価値観=共通言語があれば、見ている景色のすり合わせができる。コア・バリューが浸透している会社は「課長にとって、このコア・バリューはどういう意味なのか」「うちのセクションにとっては具体的にどういうことなのか」など、具体的な話をしている。それこそ、マテックスさんの特技ですよね。
松本
ありがとうございます。「間違いなくできている」とは言えませんが、ここ数年は会社内に対話や交流をする場所や対面でシェアをする機会などを増やしてきましたし、そういう場を提供することは、コア・バリュー浸透に不可欠だと思っています。
今野
さらに、今の若手経営者が「これは大事だな」と気づいているのが、年上の経営者との交流です。そこで「壁」について勉強するわけです。壁には、社員30人の壁、50人の壁、100人の壁があります。私が21年間で600社ほどコンサルタントとしてお手伝してきて感じたことです。社員30人では、社長が社員全員を見きれなくなる。50人になると様々な新しい事業が生まれて中間管理職が必要になる。そして100人では管理職のポジションが増え、入れ替わりも激しくなる。こうしたことが今後起きるのがわかっているので、今の若手経営者は社員10人くらいの時からコア・バリューを大切にしているのです。
松本
常に先を見据えて動く。素晴らしいことだと思います。「10人くらいなら何とかなる」ではなく、価値観を醸成していかなければいけないということですね。

先が読めない「VUCAの時代」を生き抜く。

今野
「VUCA」という言葉をご存知ですか?
松本
Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)ですね。
今野
さすがですね。90年代にアメリカ軍関係者の間で使われ始めたのが起源のようですが、つまり「予測不能」といったニュアンスの言葉です。
松本
先が読みきれない、という意味ですね。
今野
今はまさに「VUCAの時代」。どんな新しいビジネスが出てくるか、誰にも予測できないというわけです。マテックスさんの業界も同じですよね。
松本
そうですね。領域を超えて、思いもよらないライバルが現れることだって、今後は起こりうると思っています。
今野
ここで繋がってくるのが、先ほどの「壁」です。壁ができてから対応しても間に合わないですし、今後は人数からくる壁だけでなく「思いもよらないライバル出現」といった壁もあります。その壁を越えるためにも、あらかじめ安定した組織を作っておくことが重要です。

私が今注目している会社の事例を紹介しますと、代表の2人は30代。日頃から合宿などを行いながら、まずは社内のチームワークを強くすることで、経営の安定化を図ろうとしています。その他、有名どころではGoogleやAmazonといった巨大企業でも、人に対する対応が変わってきていると強く感じますね。

表組を見る二人

「ヒト・モノ・カネ」から「ヒト・ヒト・ヒト」へ。

松本
昔から言われてきた「ヒト・モノ・カネ」という言葉ですが、私はこの順番が一番大切だと思っています。
今野
一方で問題が起きやすい会社は「カネ・モノ・ヒト」の順番で対応することが多い。これはとても危ない考え方です。したがって「ヒト・モノ・カネ」の順番を重視しながら、情報や時間も大切にしなければなりません。
松本
さらに今後の経営資源として欠かせないのが「言葉」です。人を生かすのも傷つけるのも言葉です。「言葉」が会社の中でどう資源として扱われるのかがとても重要です。そして最後の「文化」。固有の文化を協力し合いながら築いていくことこそが、会社の財産であり、資源だと思います。
今野
そうですね。私たちが若手だった時代とは180度変わってきています。今や「ヒト・モノ・カネ」ではなく「ヒト・ヒト・ヒト」の時代とも言えるでしょう。昔から「個の時代」と言われてきましたが、今やもうレベルが違う。最近では教育も「個」なんですよ。例えば1年目から2年目にかけて基礎体力をつけた後は、レベルもそれぞれ異なるため、一人一人違う教育を行う会社もあります。社員120人の会社でも、教育担当が全員と頻繁に個別面談を行って、何が学べていて何が学べていないかを全部把握しているのです。
松本
私も、いよいよ個の時代の幕開けかなと感じています。今後は、人に対する考え方や概念が大きく変わっていくでしょうね。社員一人ひとりにフォーカスして、職種や階級ではなく、個人個人の成長を見守っていく。そして成長できる環境を会社内に整備することこそが、必要不可欠だと思っています。すべての社員から「マテックスはいい会社だ」と言っていただけるように頑張りたいですね。

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